2016年8月24日水曜日

2016京都大学 解説のみ No.1


1

●メモ

YY灰 Yy黄 yy胎児で死亡

Yの突然変異型をyとする。

(A)

問1、問2

(1)YY×Yy

(2)Yy×Yy yyは死亡するので、子の中に(確率の分母の中に)含めない。

(B)

●メモ

突然変異したY遺伝子(y)はA1、B1、C1,D1が乗っている染色体に存在


AとBについて考える。組換えが全く起きないなら、子の遺伝子型は、図1で、A1B1が連鎖、A2B2が連鎖しているので、A1B1A2B2とA2B2A2B2しか生じない(相方はA2B2のホモなので必ずA2B2をもらう)はずである。しかし実際には、A1B2A1B1などが存在している。これは、図1のAとBの間で組換えが起きたからである。このように、A1B2やB1A2など、本来あり得ない染色体をもらっている子の数を数える。A2B1の染色体をもらったものが3匹、A1B2の染色体をもらったものが1匹いる。図1の染色体をを持つマウスがつくった200の配偶子の内、3つの配偶子にA2B1が、1つの配偶子にA1B2が入っていた。したがって(3+1)/200を計算して2%







A1A2B1B2C1C2D1D2 × A2A2B2B2C2C2D2D2


組換えが起きなければ、子は2種しか生じない。すなわち、


である。ところが、AとBに注目して表1をみると、A1A2/B2B2などという子が生じている。この子はAとBの間で組換えが起こって生じた子であろう。




あとは、配偶子全体の中の、「本来あり得なかった遺伝子の組み合わせを持つ配偶子」の数の割合を求めれば良い。AとBについて解いてみると、

全体数は200(表の匹数をすべて足した)

本来あり得ない遺伝子の組み合わせは、

A1A2/B2B2とA2A2/B1B2である。両方足すと、4匹(1+3)

4/200=0.02・・・2%

後はすべての組み合わせで組換え価を求め、地図を書けばよい。


問3

さて、yの位置を定める。A,B,C,Dそれぞれの遺伝子からYの遺伝子までの距離がわかれば良い。



「変異したY遺伝子はA1B1C1D1対立遺伝子が乗っている染色体に存在する」とある。したがって、本来なら、黄色の個体は、変異したY遺伝子(yとする)を持つので、A1B1C1D1に染色体をもつはずである。

まず、Aとyの距離を求める。つまり、Aとyの間で組換えが起きて生じた配偶子の割合を求める。Aとyの間で組換えが起きると、A2A2に遺伝子を持ちながら、黄色(yを持つ)といった個体が生まれてくるはずである(A2をもらったのでyを持たないと思いきや、組換えによりyをもらっていない)。また、A1A2に遺伝子を持ちながら、灰色(yを持たない)といった個体も生まれてくるはずである(A1をもらったのでyももらったと思いきや、組換えによりyを持っていない)。実際、表を見れば、そのような個体(A1A2で灰色またはA2A2で黄色)が10個体いる。したがってAとyの距離は10/200で5%。後は同様に求める。





そもそもの交配は


であった。

yは


の染色体に乗っているので、組換えが起こらなければ、黄色の子マウスは染色体を

(yYをも持つ黄マウス)

               

に持っているはずである。

しかし、実際には、表を見れば、黄(yを持っている)のマウスでA2/A2を持っているものもいる。つまり、そいつらは組換えで生じた配偶子をもらっている。

同様に、

灰色(yを持たない)のマウスで有りながら、A1/A2の遺伝子を持っているものもいる。

そいつらも組換えで生じた配偶子をもらっている。

さあ、YとAの組換え価を求めよう。

A2/A2を持っている黄色のマウスは、5匹

A1/A2を持っている灰色のマウスは、5匹

10/200=0.05・・・5%

同様に他の遺伝子とY(y)の組換え価も求め、染色体地図上の位置を算出すればよい。

●覚えておかなければならないこと

①組換え価の計算方法(全配偶子の中の、組換えが起きた配偶子)

②染色体地図の作成方法(2つの遺伝子間の組換え価が大きいほど、その2つの遺伝子は離れている)

(C)

問4



「このとき、マーカー遺伝子Bとマーカー遺伝子Cの間で単一乗換えが生じる」

2本の染色体を慎重に、BとCの間でクロスさせるように描くと、下の通り。


遺伝子を書き入れていく。

問題文に示された2種の染色体は、組換えには関与しなかった、以下の黄色い2つである。


残り2種は、動原体―A1―B1―C2―動原体(下図の緑色)




 D1―C1―B2―A2―D2(下図のオレンジ)






問6

動原体の無い染色体が生じる現象を初めて見ただろう。動原体の意味を考え、ショックを受けてほしい。動原体が無い、あるいは2つもつ染色体が正確に配置されるとは考えにくい。動原体は紡錘糸が結合する場所である。
実際、動原体を持たない染色体は配偶子に分配されない。また、動原体を2つもつ染色体は減数分裂時にちぎれてしまう(ハートウェル遺伝学より)。
このように、逆位となった染色体は組換えを抑制することが知られている。

逆位部分以外に乗換が起きる(例えば、Dのすぐ上)場合は、すべての染色体に動原体が1つ含まれているので、正常に配偶子形成が起こると考えられる。

●覚えておかなければならないこと

動原体は染色体の分配に重要な部位である。

2016東京大学 解説のみ No.3


3

●メモすること

実験1

植物Aを12時間/12時間 明暗周期 一定時間生育

ジャスモン酸量測定―図3-2a

別室:ガP幼虫4時間あたりの採餌量変化―図3-2b

実験2

植物AとガPを12時間/12時間 明暗周期 一定時間生育

→この時、明暗同一周期、明暗反転周期の2つ行う

→24時間経過させてから両者を共存

図3-4 葉の「残存」調べていることに注意(グラフの縦軸、横軸は必ずチェックする。○でくくる癖を付けると良い)

 

[問]

Ⅰ.

 

A.

●覚えておかなければならない知識

①種内競争、種間競争、食物網、生態的地位(ニッチ)、食物連鎖、食物網、栄養段階の用語の意味。教科書内容!

②食物連鎖の複雑な網目状の関係を食物網という。教科書内容!

 

Ⅱ.

 

A.
「ケルプをウニが食べ」「ウニをラッコが食べる」という記述から自然に推察できる。

●覚えておかなければならない知識

基本的にはない。キャンベル生物学からの出題。ラッコがキーストーン種だという話は有名。過去20年以上、通常の獲物が減少したため、シャチがラッコを補食するようになった。その結果、アラスカ西岸の広い地域で、ラッコの個体群が急激に減少した。キーストーン種の減少によって、ウニの個体群は増加し、結果としてケルプの林は減少した。(余談:センターでの出題を期待して授業でいつも扱っていたが、先に東大に出された)

 

B.

●覚えておかなければならない知識

基本的にはない。が、ケルプの林については、教科書に記載は無くても、生物好きなら知っておいてほしい。このような、生物好きにとっての常識問題が、例年小問1問程度出題される。本当に素晴らしい、東大のアドミッション・ポリシーに沿ったメッセージである。

 

C.

キーストーン種が減少すると、生態系機能が一気に失われる。汚い、不正確な言い方をあえてすれば、「種の生態系内における役割の重要度は、均一ではない(生態系にとって大切な種とそうでない種がある)」

●覚えておかなければならない知識

キーストーン種は、生態系内において重要な役割を持っている。教科書内容!

 

D.
同化効率という用語は、説明文がなくとも、同化する効率であるとわかるだろう。不消化排出量を引いた、得ることができたエネルギー量というニュアンスがあるようだが、気にせずとも解ける。

●覚えておかなければならない知識

なし。簡単な計算のみ。

 

E.

ラッコが減ると、ウニが増え、ケルプが減る、というリード文をに沿ったグラフを選べば良い。

●覚えておかなければならない知識

なし。

 

Ⅲ.

 

A.

●覚えておかなければならない知識

①S期にDNAの複製が起こる。教科書内容!

②細胞質分裂により、細胞が2つに分かれる。その際、DNAは均等に分配される。教科書内容!

③生物体の持っている染色体の状態を核相といい、染色体数が一倍体か二倍体かを問題にする場合で、一倍体のものを単相(n)、二倍体のものを複相(2n)という。教科書内容!

当然細胞質分裂が起こらなければDNA量は倍になっていく。

 

B.

グラフが24時間周期をおおよそ示し続けていることを見て答えればよい。

(1)概日リズムが個体リズムに反映されないとはどういうことか。×。

(2)暗条件で活性化することはわからない。

(4)温度変化による影響は検証していない。

●覚えておかなければならない知識

なし。ただし、「概日リズム=生体の機能が、周期的な外部刺激から遮断された条件のもとで示す約24時間周期の変化」という知識があると楽に解ける。

 

C.

教科書にある記述をそのまま記せばよい。

●覚えておかなければならない知識

ある調節タンパク質が、別の調節タンパク質をコードする遺伝子を調節している場合が多い。教科書内容!

 

D.

●メモすること

(図3-3を見ながら)

逆位相―幼虫は暗期で連続案条件に突入

―植物は明期で連続案条件に突入

(図3-2を見ながら)

幼虫は暗期終了後12時間で採餌量最大

植物は明期終了後16時間でジャスモン酸最大

(グラフのプロットの間は4時間であることを、もう一度指さし確認しておく。これを読み間違ったら悔やんでも悔やみきれない。)

 

E.

非常に丁寧な誘導で、実験の意図もわかりやすく、易しい。

葉の残量が減少したということは、いっぱい食われてしまったということ。

→ジャスモン酸で守れなかった。

同位相では(地球上の環境と近い条件では)、幼虫の採餌量が多くなる時間帯に合わせて、植物はジャスモン酸を合成していた(余談:植物のサーカディアンリズム感動する余裕がほしい)

逆位相では、幼虫の採餌量が最大になるタイミングと植物のジャスモン酸をつくるタイミングがずれてしまい、植物は幼虫にたくさん食べられてしまう。

●覚えておかなければならない知識

なし。