1
●メモ
YY灰 Yy黄 yy胎児で死亡
Yの突然変異型をyとする。
(A)
問1、問2
(1)YY×Yy
(2)Yy×Yy yyは死亡するので、子の中に(確率の分母の中に)含めない。
(B)
●メモ
突然変異したY遺伝子(y)はA1、B1、C1,D1が乗っている染色体に存在
AとBについて考える。組換えが全く起きないなら、子の遺伝子型は、図1で、A1B1が連鎖、A2B2が連鎖しているので、A1B1A2B2とA2B2A2B2しか生じない(相方はA2B2のホモなので必ずA2B2をもらう)はずである。しかし実際には、A1B2A1B1などが存在している。これは、図1のAとBの間で組換えが起きたからである。このように、A1B2やB1A2など、本来あり得ない染色体をもらっている子の数を数える。A2B1の染色体をもらったものが3匹、A1B2の染色体をもらったものが1匹いる。図1の染色体をを持つマウスがつくった200の配偶子の内、3つの配偶子にA2B1が、1つの配偶子にA1B2が入っていた。したがって(3+1)/200を計算して2%
A1A2B1B2C1C2D1D2 × A2A2B2B2C2C2D2D2
組換えが起きなければ、子は2種しか生じない。すなわち、
である。ところが、AとBに注目して表1をみると、A1A2/B2B2などという子が生じている。この子はAとBの間で組換えが起こって生じた子であろう。
あとは、配偶子全体の中の、「本来あり得なかった遺伝子の組み合わせを持つ配偶子」の数の割合を求めれば良い。AとBについて解いてみると、
全体数は200(表の匹数をすべて足した)
本来あり得ない遺伝子の組み合わせは、
A1A2/B2B2とA2A2/B1B2である。両方足すと、4匹(1+3)
4/200=0.02・・・2%
後はすべての組み合わせで組換え価を求め、地図を書けばよい。
問3
さて、yの位置を定める。A,B,C,Dそれぞれの遺伝子からYの遺伝子までの距離がわかれば良い。
「変異したY遺伝子はA1B1C1D1対立遺伝子が乗っている染色体に存在する」とある。したがって、本来なら、黄色の個体は、変異したY遺伝子(yとする)を持つので、A1B1C1D1に染色体をもつはずである。
まず、Aとyの距離を求める。つまり、Aとyの間で組換えが起きて生じた配偶子の割合を求める。Aとyの間で組換えが起きると、A2A2に遺伝子を持ちながら、黄色(yを持つ)といった個体が生まれてくるはずである(A2をもらったのでyを持たないと思いきや、組換えによりyをもらっていない)。また、A1A2に遺伝子を持ちながら、灰色(yを持たない)といった個体も生まれてくるはずである(A1をもらったのでyももらったと思いきや、組換えによりyを持っていない)。実際、表を見れば、そのような個体(A1A2で灰色またはA2A2で黄色)が10個体いる。したがってAとyの距離は10/200で5%。後は同様に求める。
そもそもの交配は
であった。
yは
の染色体に乗っているので、組換えが起こらなければ、黄色の子マウスは染色体を
(yYをも持つ黄マウス)
に持っているはずである。
しかし、実際には、表を見れば、黄(yを持っている)のマウスでA2/A2を持っているものもいる。つまり、そいつらは組換えで生じた配偶子をもらっている。
同様に、
灰色(yを持たない)のマウスで有りながら、A1/A2の遺伝子を持っているものもいる。
そいつらも組換えで生じた配偶子をもらっている。
さあ、YとAの組換え価を求めよう。
A2/A2を持っている黄色のマウスは、5匹
A1/A2を持っている灰色のマウスは、5匹
10/200=0.05・・・5%
同様に他の遺伝子とY(y)の組換え価も求め、染色体地図上の位置を算出すればよい。
●覚えておかなければならないこと
①組換え価の計算方法(全配偶子の中の、組換えが起きた配偶子)
②染色体地図の作成方法(2つの遺伝子間の組換え価が大きいほど、その2つの遺伝子は離れている)
(C)
問4
「このとき、マーカー遺伝子Bとマーカー遺伝子Cの間で単一乗換えが生じる」
2本の染色体を慎重に、BとCの間でクロスさせるように描くと、下の通り。
遺伝子を書き入れていく。
問題文に示された2種の染色体は、組換えには関与しなかった、以下の黄色い2つである。
残り2種は、動原体―A1―B1―C2―動原体(下図の緑色)
D1―C1―B2―A2―D2(下図のオレンジ)
問6
動原体の無い染色体が生じる現象を初めて見ただろう。動原体の意味を考え、ショックを受けてほしい。動原体が無い、あるいは2つもつ染色体が正確に配置されるとは考えにくい。動原体は紡錘糸が結合する場所である。
実際、動原体を持たない染色体は配偶子に分配されない。また、動原体を2つもつ染色体は減数分裂時にちぎれてしまう(ハートウェル遺伝学より)。
このように、逆位となった染色体は組換えを抑制することが知られている。
実際、動原体を持たない染色体は配偶子に分配されない。また、動原体を2つもつ染色体は減数分裂時にちぎれてしまう(ハートウェル遺伝学より)。
このように、逆位となった染色体は組換えを抑制することが知られている。
逆位部分以外に乗換が起きる(例えば、Dのすぐ上)場合は、すべての染色体に動原体が1つ含まれているので、正常に配偶子形成が起こると考えられる。
●覚えておかなければならないこと
動原体は染色体の分配に重要な部位である。