2016年8月24日水曜日

2016東京大学 解説のみ No.3



●メモすること

実験1

植物Aを12時間/12時間 明暗周期 一定時間生育

ジャスモン酸量測定―図3-2a

別室:ガP幼虫4時間あたりの採餌量変化―図3-2b

実験2

植物AとガPを12時間/12時間 明暗周期 一定時間生育

→この時、明暗同一周期、明暗反転周期の2つ行う

→24時間経過させてから両者を共存

図3-4 葉の「残存」調べていることに注意(グラフの縦軸、横軸は必ずチェックする。○でくくる癖を付けると良い)

 

[]

Ⅰ.

 

A.

覚えておかなければならない知識

①種内競争、種間競争、食物網、生態的地位(ニッチ)、食物連鎖、食物網、栄養段階の用語の意味。教科書内容!

②食物連鎖の複雑な網目状の関係を食物網という。教科書内容!

 

Ⅱ.

 

A.
「ケルプをウニが食べ」「ウニをラッコが食べる」という記述から自然に推察できる。

覚えておかなければならない知識

基本的にはない。キャンベル生物学からの出題。ラッコがキーストーン種だという話は有名。過去20年以上、通常の獲物が減少したため、シャチがラッコを補食するようになった。その結果、アラスカ西岸の広い地域で、ラッコの個体群が急激に減少した。キーストーン種の減少によって、ウニの個体群は増加し、結果としてケルプの林は減少した。(余談:センターでの出題を期待して授業でいつも扱っていたが、先に東大に出された)

 

B.

覚えておかなければならない知識

基本的にはない。が、ケルプの林については、教科書に記載は無くても、生物好きなら知っておいてほしい。このような、生物好きにとっての常識問題が、例年小問1問程度出題される。本当に素晴らしい、東大のアドミッション・ポリシーに沿ったメッセージである。

 

C.

キーストーン種が減少すると、生態系機能が一気に失われる。汚い、不正確な言い方をあえてすれば、「種の生態系内における役割の重要度は、均一ではない(生態系にとって大切な種とそうでない種がある)」

覚えておかなければならない知識

キーストーン種は、生態系内において重要な役割を持っている。教科書内容!

 

D.
同化効率という用語は、説明文がなくとも、同化する効率であるとわかるだろう。不消化排出量を引いた、得ることができたエネルギー量というニュアンスがあるようだが、気にせずとも解ける。

覚えておかなければならない知識

なし。簡単な計算のみ。

 

E.

ラッコが減ると、ウニが増え、ケルプが減る、というリード文をに沿ったグラフを選べば良い。

覚えておかなければならない知識

なし。

 


 

A.

覚えておかなければならない知識

S期にDNAの複製が起こる。教科書内容!

②細胞質分裂により、細胞が2つに分かれる。その際、DNAは均等に分配される。教科書内容!

③生物体の持っている染色体の状態を核相といい、染色体数が一倍体か二倍体かを問題にする場合で、一倍体のものを単相(n)、二倍体のものを複相(2n)という。教科書内容!

当然細胞質分裂が起こらなければDNA量は倍になっていく。

 

B.

グラフが24時間周期をおおよそ示し続けていることを見て答えればよい。

(1)概日リズムが個体リズムに反映されないとはどういうことか。×。

(2)暗条件で活性化することはわからない。

(4)温度変化による影響は検証していない。

覚えておかなければならない知識

なし。ただし、「概日リズム=生体の機能が、周期的な外部刺激から遮断された条件のもとで示す約24時間周期の変化」という知識があると楽に解ける。

 

C.

教科書にある記述をそのまま記せばよい。

覚えておかなければならない知識

ある調節タンパク質が、別の調節タンパク質をコードする遺伝子を調節している場合が多い。教科書内容!

 

D.

●メモすること

(図3-3を見ながら)

逆位相―幼虫は暗期で連続案条件に突入

―植物は明期で連続案条件に突入

(図3-2を見ながら)

幼虫は暗期終了後12時間で採餌量最大

植物は明期終了後16時間でジャスモン酸最大

(グラフのプロットの間は4時間であることを、もう一度指さし確認しておく。これを読み間違ったら悔やんでも悔やみきれない。)

 

E.

非常に丁寧な誘導で、実験の意図もわかりやすく、易しい。

葉の残量が減少したということは、いっぱい食われてしまったということ。

→ジャスモン酸で守れなかった。

同位相では(地球上の環境と近い条件では)、幼虫の採餌量が多くなる時間帯に合わせて、植物はジャスモン酸を合成していた(余談:植物のサーカディアンリズム感動する余裕がほしい)

逆位相では、幼虫の採餌量が最大になるタイミングと植物のジャスモン酸をつくるタイミングがずれてしまい、植物は幼虫にたくさん食べられてしまう。

覚えておかなければならない知識

なし。

 



2016年8月23日火曜日

2016東京大学 解説のみ No.2

●メモすること
色素体―PEP(RNAポリメラーゼ)
コア:色素体遺伝子にコード
シグマ:核遺伝子にコード
NEP(RNAポリメラーゼ)
実験1
核遺伝子にコードされてるタンパク質Pの一部削った→細胞内の局在調べた
実験2
リンコマイシン:原核生物の翻訳のみを阻害
β酸化:脂肪酸の鎖を切り取りアセチルCoAをつくる
実験3ショ糖無添加
実験4ショ糖添加、脂肪酸(IBA)いれたりいれなかったり
覚えておかなければならない知識
なし
[]
Ⅰ.
A.
覚えておかなければならない知識
①シアノバクテリアが、真核細胞の祖先の細胞に取り込まれ、葉緑体となった。教科書内容!
②茎頂分裂組織、根端分裂組織で体細胞分裂が活発に行われている。教科書内容!
B.
覚えておかなければならない知識
①光合成生物により大量の酸素が放出されると、酸素が大気中に蓄積し、紫外線による反応でオゾン層が形成された。オゾン層は有害な紫外線などを吸収するため、陸上は生物が生存できる環境となり、まず植物が陸上に進出してきた。教科書内容!
C.
覚えておかなければならない知識
①色素体は、植物細胞に見られる独自のDNAを持つ細胞小器官で、葉緑体、白色体、有色体などがある。明確に記載の無い教科書もあるので、資料集を見ていたかどうかで差が出る。
D.
PEPはRNAポリメラーゼである。RNAポリメラーゼが結合するのはプロモーターである。RNAの材料は4種のヌクレオチド(正確には、リボースに、塩基と、リン酸が3つつながったヌクレオチドなので、正式名称はリボヌクレオシド三リン酸である。知らなくていい。ヌクレオチドで○である)
覚えておかなければならない知識
①RNAポリメラーゼはプロモーター領域を認識し、結合する。教科書内容!
②RNAはヌクレオチドが重合してできる。教科書内容!
E.
領域Ⅰがないタンパク質Pは、葉緑体に移行できておらず、細胞質に局在している。このことから、タンパク質Pは細胞質でつくられ、その後、領域Ⅰの働きで、葉緑体へ輸送されることがわかる。詳しい機構はこの実験からはわからない。
覚えておかなければならない知識
なし
F.
悪問である。
●メモすること
リンコマイシン:原核生物の翻訳のみを阻害
→リンコマイシン無し=葉緑体内での翻訳可能
→リンコマイシン有り=葉緑体内での翻訳不能
葉緑体の形成には、色素体のリボソームによる翻訳が不可欠である。さて、この時に使われるmRNAはどこから転写された物であろうか。核DNAであろうか。色素体DNAであろうか。文中からはよく読み取れない。
ここで、色素体遺伝子と葉緑体の形成との関係と言われても、不明である。
リード文に共生説の話があった。色素体は昔Ⅰ個体の生物であったという説だ。
この話の流れから、自然に、常識的に考えるなら、色素体遺伝子で転写されたmRNAが、色素体リボソームで翻訳されると考えるべきである。
覚えておかなければならない知識
なし
G.
●メモすること
色素体遺伝子=PEPにより転写されるタイプとNEPにより転写されるタイプがある
rpoAPEPのコアサブユニットの1つをコードした遺伝子
rpoB: PEPのコアサブユニットの1つをコードした遺伝子
rpoBの転写はタイプBである。PEPのサブユニットがPEPにより転写されるとは考えにくい。タイプBはNEPによる転写では無かろうか。
すると、消去法でタイプAはPEPによる転写となるだろう。
表2-4から、PEPを破壊した破壊株では、タイプAの転写が起きていない(―)ことがわかる。
rpoBの機能が「転写」とある。タイプAで転写される遺伝子の機能は「光合成」とある。まずPEPに関係する遺伝子がNEPの働きで転写され、その後、PEPは光合成に関する遺伝子の転写に働くのであろう。
覚えておかなければならない知識
なし
Ⅱ.
A.
覚えておかなければならない知識
①独立栄養生物(光エネルギーを利用して、有機化合物を合成する)、従属栄養生物(生産者がつくった有機化合物を取り入れて、それを利用する)の意味。教科書内容!
B.
覚えておかなければならない知識
①チラコイド膜に光化学系Ⅱ、電子伝達系、光化学系Ⅰが存在する。教科書内容!
②光合成色素が吸収して捕らえた光エネルギーは、光化学系の中にあるクロロフィルに集まる。教科書内容!
③ストロマではカルビン・ベンソン回路が起こる。教科書内容!
C.
●メモすること
ショ糖がある→野生株と同様
種子は脂肪を蓄えているとある。β酸化では、脂肪酸は炭素2個の断片にまで分解され、それらはアセチルCoAとしてクエン酸回路に入る(覚えなくて良いが、β酸化では、NADHやFADH2も生成し、それらは電子伝達鎖に入ってATP合成をもたらす)。
また、解糖とクエン酸回路の中間産物は、様々な同化経路に入り、細胞が必要とする分子として使われる。
脂肪は、β酸化によるエネルギー生産に用いることができるだけでなく、糖新生のための炭素源にもなっている。糖はその後当然、種々の反応に用いる。
覚えておかなければならない知識
①脂肪は呼吸基質として利用できる。教科書内容!
②糖は呼吸基質として利用できる。教科書内容!
D.
覚えておかなければならない知識
①脂肪は、3つの脂肪酸をくっつけている。明記されていない教科書もあるが、一度脂肪について資料集や生物辞典で調べていれば知っているはずである。っていうか化学で登場する。
3×8=24分子
E.
●メモすること
IBAのβ酸化→アセチルCoAだけでなくインドール酢酸=オーキシンも生じる
根の伸長=低濃度のオーキシンが必要
野生型=IBA有り=根の伸長異常
(高濃度のオーキシンが根の伸長を阻害?)
覚えておかなければならない知識
①IAAはオーキシンの実体。教科書内容!
②高濃度のオーキシンは根の伸長を阻害する。教科書内容!

2016東京大学 解説のみ No.1

2016 東京大学 生物 解説 No.1
問題文・解答は赤本など参照のこと。
●メモすること
血球ー死んでいく
小腸上皮ー一定の速さで入れ替わる
くぼみ部分の上皮細胞ー未分化・分裂能をもつ→特にくぼみの底辺部―CBC細胞
実験1
Lgr5ーCBC細胞のみ発現
Lgr5調節領域の後ろにGFPつなぐ→GFPは本来のLgr5発現と同様の調節を受ける
実験2
Lgrの転写調節領域に酵素C遺伝子をつなぐ
の転写調節領域・領域L・GFPをこの順に
の転写調節領域ーその後ろの遺伝子をあらゆる細胞で常に発現
酵素Cー化合物Tの存在下で領域Lを抜きとり、残りをつなぐ
領域Lー調節領域と遺伝子の間にあるとその遺伝子の転写を阻害する
実験3
実験2のマススに化合物T
Tなしでは、GFP蛍光無し
覚えておかなければならない知識
GFP遺伝子を調べたい遺伝子Xの後ろにつなぐことで、その遺伝子Xが発現した場合に、細胞の蛍光を観察できる。)・・・知らなくても解ける
(②分化した細胞はふつう分裂しない。幹細胞は未分化性を保ちつつ分裂を続ける細胞である。)・・・知らなくても解ける
[]
A.
覚えておかなければならない知識
①血球は中胚葉由来。教科書内容!
②血しょうは血液の液体成分。教科書内容!
③血小板は血液凝固に関係する血球教科書内容!
④好中球やマクロファージは食細胞である。教科書内容!
⑤自然免疫のしくみは「生まれながらに備わり、不特定の物質に対して働くもの」である。すべての動物には自然免疫が備わっている。適応免疫は脊椎動物にのみ備わっている。キャンベル生物学からの出題であろうが、教科書の知識で十分対応できる。脊椎動物以外の動物が自然免疫を持たないとは考えられない。自然免疫すら持たないとすると、どうやって細菌やウイルスから身を守っているのか。教科書内容!
⑥リンパ球のB細胞はすい臓のランゲルハンス島にあるB細胞とは別ものである。出題者のジョークに笑う余裕がほしい。教科書内容!
B.
覚えておかなければならない知識
(①赤血球には寿命がある)・・・リード文にある
(②造血幹細胞は、分裂を続け、赤血球を生み出す)・・・リード文にある
C.
覚えておかなければならない知識
①腸と肝臓は肝門脈という門脈でつながれている。教科書内容!
②腎臓は濾過と再吸収を行う臓器である。教科書内容!
③胆汁は胆管を通って胆のうへ運ばれ、その後十二指腸に分泌される。十二指腸に分泌されることは記載されていない教科書が多いが、一度生物時点で胆汁について調べていれば答えられる。中学校で習った人も多いのでは。
D.
図1-3を見る。
同じ細胞がずっと光っていることを確認する。(3)は論外。血液をつくる細胞が上皮を作るなどと言うトンデモ話は省きたい。
幹細胞の説明から、(2)らしいな、と常識で考えられるが、ちょっと待った。
実験1のみからわかる事実は、「CBC細胞の存在場所が移動しない」ということだけである。
まあ、今(2)を選んでも、後で直す機会が用意してある。実験3に関して考察すれば、(2)は実験1の段階ではわからないと言うことに気づくはずだ。
覚えておかなければならない知識
なし
E.
覚えておかなければならない知識
①抗体の可変部に関する遺伝子について、遺伝子の再編成が起こる。教科書内容!
F.
●メモすること
化合物Tの酵素Cに対する作用ー同時・その時点のみ
(さらに、状況がより見えてきたので、はじめのメモに書き足す。)
酵素Cー発現すると、化合物Tの存在下で領域Lを抜きとり、残りをつなぐ←転写調節領域の後ろに酵素C遺伝子があると、酵素C遺伝子がLgr5発現と同様の調節を受ける
酵素Cー発現すると、化合物Tの存在下で領域Lを抜きとり、残りをつなぐ←邪魔なLを取り除く
領域Lー調節領域と遺伝子の間にあるとその遺伝子の転写を阻害する←Lが無ければGFPが発現する
まとめれば、Tの存在下で、Lgr5が発現する状況なら、GFPの蛍光が観察される。
(3)
●メモすること
T投与時、発現している→酵素Cが発現し、Tの存在下で、遺伝子をつなぎ替える→GFP発現
観察時→酵素Cはもう発現しない→しかし、つなぎ替えられた遺伝子が存在→
の転写調節領域ーその後ろの遺伝子をあらゆる細胞で常に(この設問で、この『常に』が活きてくる)発現→GFP発現
メモより、GFP遺伝子は常に発現している。
まとめると、
今後、このつなぎ替えられた遺伝子は存在し続けるので、もうTとか酵素Cとかの有無は関係ない。常にGFPは発現する。
(4)化合物Tが存在しても、酵素Cが発現していなければTの意味は無い。
覚えておかなければならない知識
なし
G.
F.の問いの(3)と同内容の問題。既に遺伝子の再編成が済んでいるので、Lgr5のON,OFFは関係ない。どうしてこの問題を入れたのか謎である。既にHで問うている。Hを解きやすくするために重ねてメッセージを意図だろうか。
覚えておかなければならない知識
なし
H.
GやF(3)より、過去にLgr5を発現していた細胞は、GFPの蛍光を発する。
●メモすること
過去にLgr5発現→その後発現無くなっても、GFP蛍光発する
(もう遺伝子の再編成[Lの抜き取り]が済んでいるから)
図1-5の言わんとしていることは、過去にLgr5が発現した細胞が柔毛部分に移動するということである。特に、くぼみ部分のCBC細胞以外の細胞も、かつてはLgrを発現していた(Lgr5を発現し続ける細胞は定位置に存在し続ける・・・これが実験1の結果からわかることである)。
さて、ここがDの問いを直す最後のチャンスである。よくリード文を見れば、くぼみの細胞と、その中のCBC細胞を分けていることがわかる。特にCBC細胞から、柔毛部分の細胞が生じているなどとは、実験1からはわからない。CBC細胞以外のくぼみの細胞から柔毛部分の細胞が生じている可能性だって有った。
しかし、最後の問いまで進めば、「くぼみ部分の細胞や柔毛部分の細胞は、すべてかつてはLgr5を発現していた(CBC細胞であった)」ことがわかるのである。
覚えておかなければならない知識
なし