DNA
(2)DNAの構造:糖とリン酸が交互に結合した2本の主鎖から内側につき出た相補的な塩基同士が水素結合で結びつき、二重らせん構造をとっている。参考 10塩基対毎ごとにらせんが1回転し(3.4nm)、積み重なった塩基対間の長さは0.34nmである。
DNA
1.DNAとRNA
(2)DNAの構造:糖とリン酸が交互に結合した2本の主鎖から内側につき出た相補的な塩基同士が水素結合で結びつき、二重らせん構造をとっている。参考 10塩基対毎ごとにらせんが1回転し(3.4nm)、積み重なった塩基対間の長さは0.34nmである。
(3)DNAの複製:細胞周期のS期に複製される。
DNAの複製方式・・・半保存的複製(娘DNAの一方の鎖は親DNA由来)
参考 遺伝子の本体に関する実験
(1)肺炎双球菌:S型菌・・・カプセル(被膜)をもち病原性がある。 R型菌・・・カプセル(被膜)がなく病原性がない。
(2)グリフィスの実験(1928年):肺炎双球菌の形質転換を発見。
①加熱殺菌したS型菌をネズミに注射→発病しない
②加熱殺菌したS型菌+生きているR型菌をネズミに注射→発病する→ネズミの体内から生きているS型菌が出現・・・R型菌がS型菌の形質を得た→形質転換 *形質転換を起こさなかったR型菌はネズミの白血球に貪食され観察されない。
(3)エイブリーらの実験(1944年):形質転換を起こす原因物質はDNAであると発表
①S型菌の抽出物+生きているR型菌→多数のR型菌と小数のS型菌(培地に白血球はないのでR型菌は生存)
②S型菌の抽出物+タンパク質分解酵素+生きているR型菌→多数のR型菌と小数のS型菌(培地に白血球はないのでR型菌は生存)
③S型菌の抽出物+DNA分解酵素+生きているR型菌→R型菌のみ・・・DNAが分解されると形質転換起きず→形質転換に必要な物質はDNAである
(覚え方)エイッと分解エイブリー(エイブリー、タンパク質やDNAの分解実験)
(4)バクテリオファージの増殖
ウイルスの特徴:①細菌より遙かに小さい(100nm)、②細胞構造がない、③タンパク質と核酸(RNAやDNA)からなる、④各ウイルスは特定の生物の細胞内で増殖
(2)ハーシーとチェイスの実験(1952年);T2ファージを用いた実験でDNAが遺伝子の本体であることを証明。ファージのタンパク質は大腸菌外に取り残され、DNAのみが大腸菌内に注入されていた→遺伝子の本体はDNAである。
(覚え方)ティーツーファージはチェイスとハーシー(実験材料と研究者達の前が似ている)
2.セントラルドグマ(1)遺伝暗号:アミノ酸配列に対応するDNAやmRNAの塩基配列。
コドン:1種類のアミノ酸と対応する遺伝情報の単位で、mRNAの3つの連続した塩基がコドンとなる。
参考 コドン表から、1種類のアミノ酸には複数のコドンが対応する場合が多いこと、開始コドンや停止コドンがあることがわかる。→資料集などのコドン表参照
(2)転写と翻訳:DNAやmRNAの遺伝情報(塩基配列)は、RNAの塩基配列に写し取られ(転写)、それをもとにタンパク質が合成される(翻訳)。
(3)転写の過程:❶RNA合成酵素の働きでDNAの二重らせんの一部がほどける。→➋DNAの一方の鎖(塩基配列)を鋳型にして相補的な塩基をもつRNAのヌクレオチドが並ぶ。→mRNAの完成
(4)翻訳の過程:❶mRNAの最初のコドンにアミノ酸―tRNA複合体と、リボソームが付着する。→➋次のコドンに対応するアミノ酸―tRNA複合体が、mRNAと結合する。→➌アミノ酸同士がつながる。→➍リボソームがmRNAのコドン1つぶんだけ移動する。→➎以降、➋~➍の過程が繰り返されてポリペプチド鎖が合成される。
真核生物では転写は核内、翻訳は細胞質で行われ、両者が同時に起こることはない。原核生物では、転写と翻訳が細胞質内で、同時に行われる。
種類
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働き
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糖
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塩基
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構造
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存在場所
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DNA
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遺伝子の本体
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デオキシリボース
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A,T,C,G
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二重らせん構造
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主に核(ミトコンドリア、葉緑体)
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R
NA
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伝令(m)RNA
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遺伝情報の転写・運搬
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リボース
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A,U,C,G
(覚え方)DNAとRNAはチがウ(TがU)
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ふつう一本鎖
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細胞質、一部は核小体
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転移(t)RNA
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アミノ酸の運搬
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リボソーム(r)RNA
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リボソームの構成成分
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