生命が誕生したのはおよそ38億年前といわれています(諸説あります)。自然発生説は否定されましたが、一番初めの生物は非生物から生まれたはずです。
オパーリン(著書「生命の起源」)は、生命の発生のためには以下の4ステップが必要だと唱えました。
第1段階:炭化水素および簡単な有機化合物の生成
30億年前、現在のシアノバクテリアのような生物が酸素発生型の光合成をはじめ、その後、大気中に酸素が増えていきました。
真核生物の誕生は20億年前です。
真核生物の誕生が先か、好気性細菌、シアノバクテリアの共生(ミトコンドリアと葉緑体の誕生)が先かはわかっていません。
およそ5.4億年前から、現代につながりのある生物群が登場し始めました。カンブリア紀に、カンブリア大爆発と言って、生物の爆発的多様化が起こりました。有名なアノマロカリスのこの時期の生物です。
アノマロカリス(最強の捕食者だったと考えられている) |
そのあとは、シダ植物や両生類が繁栄しました。
およそ2.5億年前くらいから、裸子植物、爬虫類がかわりに繁栄してきます。2.5億年前~を中生代といいます。爬虫類は様々なニッチを埋めていきます。恐竜の時代です。
およそ6500万年前、隕石が地球に衝突し、アンモナイトや、恐竜が絶滅しました。
およそ6500万年前から現代にいたるまでを新生代といって、被子植物と哺乳類の時代です。
もし6500万年前に、隕石が衝突しなかったら・・・?恐竜がショッピングをしていたでしょうか。
★相似器官、相同器官は超よく問われる!
①ベルクマンの法則(寒冷地に住む恒温動物は体が大きくなっている。)
②アレンの規則(熱い地域に住む動物は突起が多くなる)
①と②は、その地域に適応するような形質が進化の結果残った、収束進化(収れん、収れん進化)の例である。
収束進化の他の例:
イルカは魚類と形が似ている。
独立して水中で生活しやすいように進化した。
フクロモモンガとムササビは樹上生活に適応するため、滑空能力を獲得するよう独立に進化した。
発生的に起源が異なる器官でありながら、形態や機能が似ているものを相似器官という。
相似器官は、環境に適応して特定の能力を得ようとする収束進化の結果生じたものである。
同じような環境下に生活する生物の生活様式を反映した形態を生活形という。
(バイオームは生活形に注目すると本質が見えてくる。
生物基礎で学習するバイオームは、生活形の考え方が根本にある。
広葉は暖かいところでの生活に適応した葉の形態である(あつい→上昇気流→雨はよく降るので、水分不足の危険性は少ない。葉の面積を増やし、たくさん光合成する)。
針葉は寒いところでの生活に適応した葉の形態である(凍った水は光合成に利用できないので、蒸散量を抑えるためにはの表面積を小さくしていると考えられる。針葉の上には雪も積もりにくい。)。
アクティブラーニング課題:どうして植物は生活形が色濃く出るか。
(動けないので、その場所の気候の影響を受けやすい。動物は、生存に適さない場所から動いて逃げることができる。)
ある共通の祖先が、様々なニッチを埋めるように多岐にわたって進化していくことを、適応放散という。
生活空間、食物、活動時間帯など、生態系の中においてその生物の占める地位をニッチという。
ニッチを避けるために食いわけ、すみわけなどがある
適応放散の例:オーストラリアにおける有袋類の適応放散
中生代における爬虫類の適応放散
その形態や機能は違っても、発生の起源が同じ器官を相同器官という。
相同器官は適応放散の結果生じたものである。
相似器官と相同器官を選ばせる問題があるが、似ている器官を選べばたいていそれが相似器官である。
(似ていない器官を選べばたいてい相同器官である)
出題者はみんなに、ダイナミックな進化の成果を伝えたいのだ。
「ほら、こんなに似ている器官同士だが、実は起源が異なるんだよ?」
(「こんなに異なる形だけど、実は同じ器官を起源にもつ器官なんだよ?」)
□ テーマ2 : 地質時代をおさえよう!
★まんべんなく出題される!気合で覚えてしまえ!
●億年前の●はだいたいの数字を覚えておけばいい。
① 先カンブリア時代
② カンブリア紀 5.4億年前~
植物陸上進出?
⑧ 三畳紀 2.5億年前~
シソチョウは長い尾骨を持つ(ハチュウ類の特徴)
⑪ 新生代(第三紀、第四紀) 6600万年前~
アクティブラーニング課題:どうして眼窩上隆起が小さくなったのか。
(固いものをかむことが少なくなり、眼窩上隆起でその衝撃を吸収する必要が少なくなったと考えられている。硬いものを食べなくなったという食性の変化は、直立2足歩行と(手の使用→道具の使用→火の使用→食べ物を柔らかく調理できる)関係しているという説がある。おおきなあごは退化し、下あごの先端はおとがいとして残った。)
★テストに出ない人類学の雑学
・直立二足歩行できるのは人類だけ。恐竜などは「二足歩行」できるが直立していない。直立二足歩行は以下のように様々な形質を我々に与えた可能性がある。
直立二足歩行―内臓下降―骨盤変形―難産―生理的早産―家族・学習
直立二足歩行―声帯下降―音域拡大―音声言語―家族・豊かなコミュニケーション
直立二足歩行―手の開放―手作業・道具使用・道具製作・手による物資の運搬(コミュニケーション、家族を養う)
・近年では、森を出る前から人類は直立二足歩行していたと考えられている。
・初期猿人であるアルディピテクス・ラミダスは確実に直立二足歩行できた(アウストラロピテクスよりも前に)。ラミダスの足はものをつかめるサルのような形。木の上で暮らしていたことがうかがえる。ラミダスのオスの犬歯は小さく、これは暴力性の減少をあらわす。つまりラミダスの社会ではオス同士の闘争やメスに対する暴力的アプローチは少なかったであろう。ラミダスの社会は一夫一妻制であった。
・二足歩行はラミダスにとって平地で不利に働いた(遅いし、まだラミダスは長距離に向かなかった)。肉食獣に襲われる危険に常に晒されていたであろう。しかし、手が空くことで「食べ物を持って帰る」ということが可能になる→食べ物を多く持って帰るとモテる(優しいオスが食糧調達能力によってモテる [食料供給仮説])
・二足歩行の様々な(まだ仮説段階の)利点→4足歩行よりエネルギー効率が良い・敵を威嚇できる(立ち上がれる)・食料や赤ん坊や道具を運べる・周囲を警戒できる(立ち上がれる)
・アウストラロピテクス・アファレンシスは足にアーチ構造があり、親指と他の指が平行になっている。かかとの骨も大きく、長時間立ち続けることができた。犬歯はさらに小さくなり、脅しの道具としても役に立たなくなった。
・アウストラロピテクス・アファレンシスの足跡の中には、家族と思われる集団によってつけられたものもある。
・複数の家族が協力し合い、一定の集団として機能させるのは人類の特徴である。アファレンシスは仲間と身を寄せ合い集団でお互いを守っていた。
・アウストラロピテクス・アファレンシスはルーシーという化石が有名(発見されたときの宴でビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」が流れていたことが由来)。
・ホモ・ハビリスははじめて石器を本格的につくった人類である。体毛はアファレンシスよりも少なくなっており、地肌がうっすら見えていた。草原では、肉食動物が食べ残した動物の死体を見つけ、おこぼれを頂戴することもあっただろう。動物の骨髄には豊富な栄養が含まれている。動物の骨を割ろうとして、石を使って叩いているときに、破片で物が切れることに気が付いたのだろう(もしかしたら割れた骨の鋭利な部分で自分の手を切ったのかもしれない)。
・ホモ・エレクトスは体毛がほとんどなくなり、発汗で効率的に体温を下げることができた→暑い環境下でも長時間行動できるようになった。エレクトスはハンドアックスなどを使った=エレクトスは積極的に狩りを行った(狩られる側から狩る側へ。獲物がつかれるまで粘り強く追いかけていた。現在、地球上で真夏にマラソンできる動物は人だけだという説もある)。
・エレクトスには歯のない老人の化石も見つかっている。これは、やさしさが生まれ、この老人が軟らかい食物をもらっていたことがうかがえる(介護の誕生)。
・何がネアンデルタール人と現生人類の運命を分けたのか?集団の大きさか?(ホモサピエンスのほうが集団が大きかった)狩りの方法か?(ネアンデルタール人は屈強で、肉弾戦を好んだ。一方華奢なホモ・サピエンスは飛び道具を開発した)