2016年1月19日火曜日

高校生物 第13講 精子と卵

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予習

卵や卵細胞と精子や精細胞との合体を受精と呼びます。
生物は受精を確実に円滑にするため,細胞質に富み運動性のない卵と,細胞質を捨て去り運動性を獲得した精子(鞭毛をもちます)の受精という形態を発達させました。
2つの細胞は融合し,細胞質のみならず核も融合させなくてはなりません。
受精の際、先体反応という重要な反応が起きます。精子が先体突起を卵めがけて伸ばすのです。
やがて受精膜が形成され、他の精子の侵入を防ぎます。

ちなみに、精子は、運動するためのエネルギーを、『解糖系』によって得てます。中片部(精子は頭部[先体と核がある]、中片部[ミトコンドリアがある。頭部と中片部の間には中心体がある]、尾部[鞭毛部分]の3つの領域に分かれています)にミトコンドリアがたくさんあるので、呼吸でエネルギーを得ていると勘違いしがちですが、誤りです。

講習
□ テーマ1 : 精子の形成をマスターしよう!
細胞名や核相、図など、徹底的に覚えよう!!めちゃめちゃよく出る!
発生の初期の段階で、将来体細胞となる細胞とは別に、将来生殖細胞に分化する細胞が生じる。

その細胞を始原生殖細胞という。


(1)
始原生殖細胞(2n)

⇒精原細胞(2n)

一次精母細胞(2n)

⇒(減数分裂 第一分裂)

⇒二次精母細胞(n)

⇒(減数分裂 第二分裂)

⇒精細胞(n)

変形
⇒精子(n)
補足
雄の場合、始原生殖細胞は精巣に分化する部分(生殖隆起)に移動していく。

そして、やがて精巣が生じ、その中で体細胞分裂を行い精原細胞が生じる。

精原細胞は成長し、一次精母細胞になる。

一次精母細胞は減数分裂を行い、第二精母細胞を経て精細胞になる。

精細胞は変形(変態ともいう)し、精子になる。

□ テーマ2 : 卵の形成の一時停止について知っておこう!
難問で出るが、見ておくだけでよい!看護系は要注意!
(1)多くの多細胞生物(ヒト、ウニ)では、卵巣内の未成熟卵は、減数分裂第一分裂の前期でいったん減数分裂の進行を停止している。


(2)ウニでは減数分裂完了後に精子が進入する。しかし、多くの動物(ヒト、カエル、イモリ、)では、二次卵母細胞の状態のとき精子が進入する。

排卵の直前に一次卵母細胞は減数分裂を再開し、第二分裂中期で排卵され、精子が進入する
(卵が生じる前に精子が進入することに注意!)。


精子が進入すると第二分裂が再開し、第二極体と卵になる。


精子は減数分裂完了前に「進入」するが、「核同士が合体」するのは減数分裂が完了してから。


始原生殖細胞は、ヒトの場合、卵巣や精巣のできる前、受精後3週には胚の中に認められる。

始原生殖細胞は胚内を移動して生殖巣に入り、増殖・分化する。

女児の出生時には、卵巣中には約200万個の一次卵母細胞がある。その大部分は減数分裂の第一分裂の前期にある。

これらの細胞の多くは死ぬ。
思春期には約40万個の一次卵母細胞が残るといわれている。

 思春期以降、その中の一部だけが減数分裂の次の段階に進む。

結局500個ほどの細胞が減数分裂の第二分裂中期で止まった状態、
つまり二次卵母細胞から卵ができる途中の状態で排卵される。

通常1ヶ月に1個排卵される。

排卵された卵は、輸卵管の上部(膨大部)で精子と出会う。

すると、止まっていた減数分裂が再開される。
極体が放出され、卵の核があらわれる。

そして、精子の核と卵の核は近づいていく。

輸卵管内で発生が進み、
胞胚期(このころの胚は胚盤胞ともよばれる)のときに子宮に着床する。



□ テーマ3 : ウニの受精について知っておこう!
受精丘だけはぜったいに覚えよ!卵黄膜が受精膜になることも必ず問われる! 精子細胞幕がゼリー層に接触し糖鎖を認識すると、先体胞の内容物がゼリー層に向かって放出される。

この内容物にはタンパク質分解酵素が含まれており、ゼリー層の破壊に役立つ。

一方、精子細胞内部でATPの消費が急速に高まって鞭毛運動が盛んになる。

精子のもつ繊維状アクチンタンパク質が伸長し、卵細胞に向かって伸びる。

この糸状の構造を先体突起といい、精子がゼリー層に接触してから先体突起が伸びるまでの一連の変化を先体反応という。


(1)精子が卵細胞膜に接すると、精子を迎えるように受精丘と呼ばれる小さな高まりが卵細胞膜にできる。

(2)また、精子の細胞膜との接触が引き金となって、卵細胞膜直下にある表層粒が急速に膨張し、その内容物が細胞膜の外側に放出される。

これを表層反応という。

この変化は、精子が接触したところから卵表面を同心円状に広がっていく。

卵細胞質中にある小胞体からCaイオンが放出され、それが表層粒の急速な膨張と、それにつづくエキソサイトーシスを引き起こす。

(3)多精拒否のしくみがある(2つ以上の精子が受精しないようになっている)

①膜電位の変化:ナトリウムが流入し、膜電位が負から正へと変わる(速い反応)

卵黄膜受精膜への変化:①の間にこの反応を終了させる(遅い反応)

(②ののほうがよくテストに出る!)