(1)酵素は生体触媒として働く!
酵素は基質と活性部位で結合して酵素―基質複合体を形成する。
その結果反応が起こり、基質は生成物に変化する。
ふつう化学反応を開始させるにはエネルギーが必要。
このとき必要なエネルギーを活性化エネルギーという(物質を化学反応しうる活性化状態にさせるのに必要なエネルギーが活性化エネルギー)。
アクティブラーニング課題:どうして一般に温度が高くなると化学反応が起きやすくなるのか。説明せよ。
(化学反応はふつう高温により活性化エネルギーを得る。また、熱運動が激しくなるので分子同士の衝突する回数が増えると考えられている)
(2)酵素の特性は以下の2つが良く問われる!
アクティブラーニング課題:どうして一般に温度が高くなると化学反応が起きやすくなるのか。説明せよ。
(化学反応はふつう高温により活性化エネルギーを得る。また、熱運動が激しくなるので分子同士の衝突する回数が増えると考えられている)
(2)酵素の特性は以下の2つが良く問われる!
① 酵素の主成分はタンパク質である!
⇒それゆえ、最適温度、最適pHがある。
(無機触媒との違いとしてよく出題される!)
②酵素が特定の基質だけに作用する性質を基質特異性という。
高温やpHの大きな変動によってタンパク質は変性し、酵素は失活する。
酸化マンガン(Ⅳ)などの無機触媒は高温であればある程よく働く。
酵素も無機触媒も、細胞の外でも働ける!
一般的な酵素の最適pHは7。
□ テーマ3 : 酵素には様々な種類がある!教科書や問題で目にするたびに確認しよう!(生物基礎では、酵素の名称はほぼテストに出ない。様々な酵素があり、多種多様な生命現象にかかわっていることだけ確認しておこう)
(1)加水分解酵素
アミラーゼ : デンプン → マルトース
アミラーゼはコウジカビなどの菌類も持つ。
マルターゼ : マルトース → グルコース
スクラーゼ: スクロース → グルコース+フルクトース
ラクターゼ : ラクトース → グルコース+ガラクトース
ペプシン : タンパク質 → ペプトン
ペプトンとは、タンパク質の不完全分解物である。
トリプシン : ペプトン → ポリペプチド(動物の細胞接着に関係するカドヘリンなどのタンパク質を壊す。DNA抽出実験の時に、タンパク質を分解する。)
キモトリプシン : ペプトン → ポリペプチド
ペプチダーゼ : ポリペプチド → アミノ酸
リパーゼ: 脂肪 → 脂肪酸+モノグリセリド
ペクチナーゼ : ペクチンを分解(カルスをつくる際に用いる)
セルラーゼ: セルロースを分解(カルスをつくる際に用いる)
ATPアーゼ : ATP → ADP+リン酸(ナトリウムポンプの本体は、ナトリウム-カリウム-ATPアーゼという酵素)
ウレアーゼ: 尿素 → 二酸化炭素+アンモニア
アルギナーゼ : アルギニン → オルニチン+尿素(オルニチン回路に関与)
トロンビン : フィブリノーゲン → フィブリン(血液凝固に関与)
制限酵素 : DNAを特定の塩基配列部分で切断(遺伝子組換えで用いる。細菌はウイルスのDNAを切断するために持っている。)
(2)酸化還元酵素
脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ): 有機酸から水素を奪う(発酵・呼吸などに関与)
カタラーゼ : 過酸化水素 → 水+酸素(活性酸素が増えるのを防ぐ)
ニトロゲナーゼ : 窒素+水素→ アンモニア(窒素固定に関与)
ルシフェラーゼ : ルシフェリン+酸素 → 酸化ルシフェリン(ホタルの発光に関与)
硝酸還元酵素 : 硝酸 ― 酸素 → 亜硝酸(窒素同化の際植物の体内で行われる反応)
亜硝酸還元酵素 : 亜硝酸 ― 酸素 → アンモニア(窒素同化の際植物の体内で行われる反応)
(3)脱離酵素
脱炭酸酵素(デカルボキシラーゼ): 有機酸から二酸化炭素を発生
炭酸脱水酵素 : 炭酸 → 二酸化炭素+水(赤血球にある)
その他の酵素
DNAポリメラーゼ: DNAを鋳型にDNAを複製(DNA合成期に働く。好熱細菌のDNAポリメラーゼは熱に強く、PCRで使われる。)
RNAポリメラーゼ: DNAを鋳型にRNAを合成(転写に働く。真核生物のRNAポリメラーゼは単独では働かない。基本転写因子というタンパク質が必要。また、クロマチン繊維が緩むことも必要。このようにRNAポリメラーゼが働く際の調節機構が解明されつつある。)
DNAリガーゼ : DNAの切断端同士を結合(遺伝子組換えで用いる)
アミノアシルtRNA合成酵素 : アミノ酸とtRNAを合成
逆転写酵素 : RNAを鋳型にDNAを合成(この現象を逆転写という)